真空チャンバーの製作は圧力容器の製作とは異なります。圧力容器は強度で評価されますが、真空チャンバーはガスの通り道がないことで評価され、問題となる通り道の大きさはミクロン単位で測られます。
溶接を真空気密にする条件
アンダーカットがなく、終端にクレータがなく、微小ポロシティもない完全溶け込みです。通常の原因はポロシティです。表面に達しないガス孔は無害ですが、溶接部の両面を結ぶ連続した孔列は漏れ経路になります。原因は油、酸化膜、水分、誤ったシールドガスなどの汚染であり、溶接中の技量よりも溶接前の清浄度が重要になる理由です。
溶接環境
真空部品の溶接は、直前に継手を清浄化したうえで管理された環境で行います。ステンレスでは、溶接部の外面に生じる熱変色は酸化膜であり、内面では汚染源となるため、チャンバーを清浄と見なす前に機械的または化学的に除去する必要があります。
ひずみが真空の問題になる理由
大型チャンバーは溶接すると形状が崩れます。これはまず寸法の問題であり、次に真空の問題です。平坦でなくなったフランジはシールしないため、シール面は溶接前ではなく溶接後に加工します。また、ひずみはギャップを閉じて溶接を難しくする方向にも働くため、開先の組立精度は溶接そのものと同じくらい重要です。
検証
溶接したすべてのチャンバーは、出荷前に質量分析計によるヘリウムリーク試験を行い、方法と検出限界をチャンバーごとに記録します。溶接部の目視検査では、UHVを保持できるかどうかはほとんど分かりません。見た目が完璧な継手が 10⁻⁶ mbar·l/s で漏れることもあります。
材料と板厚
薄肉の計測用容器から厚肉のチャンバーシェルまで、304(SUS304)および316L(SUS316L)ステンレスに対応し、大型軽量チャンバーにはアルミニウムを用います。薄肉材料は入熱管理がより重要になります。板厚が薄くなるほどひずみが急激に増大するため、作業者の判断よりも管理された溶接手順が効果を発揮する領域です。
自社一貫で対応している工程
- 304 / 316L stainless steel and 6061 / 5083 aluminium fabrication
- Clean-environment TIG welding with full penetration and no micro-porosity
- Helium mass-spectrometer leak testing to 1 × 10⁻⁹ mbar·l/s
- In-house electropolishing and passivation — not subcontracted
- Chamber bake-out to 150–400 °C for UHV outgassing control
- Precision-machined ISO-KF, ISO-K and CF (ConFlat) flanges
- Zeiss CMM verification to ±0.02 mm across large work envelopes
- 12 m gantry CNC machining — 12 m × 4 m × 2 m envelope
- SEMI-referenced documentation and inspection protocols
よくあるご質問
漏れないように真空チャンバーを溶接するにはどうすればよいですか?
完全溶け込みの溶接、清浄な継手、適切なシールドガス、そしてクレータや終端欠陥を出さないことが重要です。溶接部の漏れの最大の原因は、溶接中の技量ではなく溶接前の汚染です。そのため真空の仕事では、一般の製作以上に開先の準備と清浄化に注意を払います。
真空チャンバーの溶接と圧力容器の溶接は何が違いますか?
圧力容器は強度を基準に設計し、加圧して試験します。真空チャンバーは漏れ量を基準に設計し、質量分析計で試験します。水圧試験に余裕で合格する溶接でも、UHVを妨げる漏れ量を示すことがあります。
薄いステンレスもひずみなく溶接できますか?
はい。入熱を管理し、溶接順序を計画することで対応します。薄肉の仕事は溶接手順の管理が最も重要な領域です。板厚が薄くなるほどひずみが急速に増え、ひずんだフランジはシールしないためです。
真空溶接部はどうやって確認しますか?
目視ではなく、ヘリウム質量分析計による漏れ試験で確認します。完成したチャンバーに対して試験を行い、方法と検出限界を記録し、チャンバーごとの記録として提出します。
溶接後にチャンバーを機械加工しますか?
はい。シール面と取付面は、ひずみが生じた後の溶接後に加工するため、平坦で平行に仕上がります。溶接前に加工すると、ひずみがそのままシール面に出てしまいます。
関連する加工能力
仕様どおりの製作をご検討ですか?
図面または仕様書をお送りいただければ、DDP価格・納期・検査計画をご提示します。