熱真空チャンバーは、真空チャンバーにもう1つ問題が重なったものです。内表面が極低温と高温の間で変化する間に真空を保持する必要があり、この条件が材料選定の誤りをすべて露呈させます。
熱真空が通常と異なる点
熱サイクルはすべてを動かします。常温でシールしていた継手が、フランジが冷却してボルトがフランジと異なる割合で収縮すると開いてしまうことがあります。剛結合されたシラウドは支持部が割れます。真空境界を保ちながら動きを許容する設計が必要で、通常は剛構造ではなくベローズ、長穴付き取付部、摺動支持を用います。
熱真空環境での材料
容器には316L(SUS316L)を使用します。低温でも靭性を保ち、フェライト系鋼のような延性−脆性遷移を示さないためです。シラウドには、強度より熱伝導率が重要な箇所でアルミニウムを使用します。内部の締結部には注意が必要です。真空中ではねじ山に酸化膜が再生されないため、かじりがはるかに深刻になります。
ポートとフィードスルー
熱真空チャンバーはプロセスチャンバーよりはるかに多くの貫通部を備えます。シラウドと供試体用の熱電対・計装フィードスルー、ヒーター用の電源フィードスルー、そして試験の目的そのものである測定器用の光学ポートです。それぞれが漏れ経路となるため、ポート数が製作コストと漏れ検査時間の両方を左右します。
検証
容器はシラウドを取り付ける前に常温でヘリウムリーク試験を行い、組み立て後に再度試験します。据付前の漏れ検査に合格し、その後失格する場合、原因は通常、後から追加したポートか、動かした継手であり、容器自体ではありません。
宇宙環境シミュレーション固有の要件
宇宙環境シミュレーションでは、供試体が壁を見ない大きさのチャンバーが必要になります。シラウドは供試体に触れずに取り囲む必要があり、これが容器の直径と内部支持構造を決めます。この形状上の要求が、宇宙環境シミュレーションチャンバーが標準品ではなく1台限りの製作になる理由です。
自社一貫で対応している工程
- 304 / 316L stainless steel and 6061 / 5083 aluminium fabrication
- Clean-environment TIG welding with full penetration and no micro-porosity
- Helium mass-spectrometer leak testing to 1 × 10⁻⁹ mbar·l/s
- In-house electropolishing and passivation — not subcontracted
- Chamber bake-out to 150–400 °C for UHV outgassing control
- Precision-machined ISO-KF, ISO-K and CF (ConFlat) flanges
- Zeiss CMM verification to ±0.02 mm across large work envelopes
- 12 m gantry CNC machining — 12 m × 4 m × 2 m envelope
- SEMI-referenced documentation and inspection protocols
よくあるご質問
熱真空チャンバーとは何ですか?
内部に冷却可能なシラウドを備えた真空チャンバーです。通常は液体窒素やクライオクーラで冷却し、場合によっては加熱も行い、供試体を真空中で極低温と高温の間でサイクルさせます。宇宙に近い条件で宇宙機の部品、機器、材料を試験するために使用します。
熱真空容器に316Lを使うのはなぜですか?
オーステナイト系ステンレス鋼は低温でも靭性を保ち、フェライト系鋼のような延性−脆性遷移を示しません。液体窒素温度にさらされる可能性がある容器では、これが決め手となる特性です。
宇宙環境シミュレーションチャンバーとは何ですか?
供試体が触れることなくシラウドに取り囲まれるよう、サイズと構成を決めた熱真空チャンバーで、宇宙の放射環境に近づけたものです。接触させずに囲い込むという要求が容器の形状を決め、ほとんどの宇宙環境シミュレーションチャンバーが1台限りの製作になる理由です。
熱真空チャンバーにはいくつのフィードスルーが必要ですか?
プロセスチャンバーよりはるかに多くなります。シラウドと供試体の熱電対、ヒーター用の電源、測定器用の光学ポートなどです。各貫通部は独立した漏れ経路になるため、通常はポート計画を早い段階で確定し、それに合わせて漏れ検査を計画します。
容器だけでなくシラウドも製作できますか?
当社は真空容器とそのポートを製作し、内部支持構造も供給できます。シラウドとその冷却回路は、熱設計が試験要件に直結するため、通常はお客様が指定されます。
関連する加工能力
仕様どおりの製作をご検討ですか?
図面または仕様書をお送りいただければ、DDP価格・納期・検査計画をご提示します。