カスタムチャンバーは、プロセスが求めるもの、溶接時に材料がどう振る舞うか、そして後から実際に加工できる形状という3つの折り合いで決まります。この3つを早い段階で整合させるほどチャンバーは安くなります。そのため当社は見積段階よりも図面段階から関与することを推奨しています。
カスタムチャンバープロジェクトの進め方
お客様図面または性能仕様のいずれかから開始します。仕様の場合、まず材料、シール系統、表面処理を合意します。この3つの決定が、板厚以上に到達可能な真空度とコストを左右するためです。合意後は、溶接→応力除去→機械加工→電解研磨→漏れ検査→ベーキング→検査の順で進めます。
単独の工程よりも工程順序が重要な理由
溶接はひずみを生むため、シール面は溶接後に加工する必要があります。機械加工はクーラントと切粉を残すため、加工後に洗浄と研磨が必要です。機械的に研磨すると変質層が残るため、電解研磨を行います。電解研磨は表面に水素と水を残すため、ベーキングを行います。各工程は前の工程があるからこそ必要であり、1つ飛ばすと問題は解決せず移動するだけです。
サイズとハンドリング
当社のガントリ加工範囲は 12 m × 4 m × 2 m ですので、大型チャンバーも1回の段取りで加工できます。2回の段取りで加工したチャンバーは途中で基準が変わり、その基準を挟んだ両側のフランジ位置が一致しなくなるためです。
チャンバーに添付するもの
三次元測定機(CMM)検査による寸法報告書、方法と検出限界を明記したヘリウムリーク試験記録、表面粗さの測定値、材料ミルシート、溶接施工要領書を提出します。半導体や研究用途のお客様にとって、このパッケージは納品物の一部であり、オプションではありません。
カスタムチャンバーが適さない場合
日常的な高真空用途向けの標準的な小型チャンバーが必要な場合は、標準品のほうが安く速く納まります。カスタム製作がコストに見合うのは、形状、サイズ、真空度が標準品の範囲を超える場合です。実際には、大型チャンバー、特殊なポート配置、UHVおよびベーキング対応構造が該当します。
自社一貫で対応している工程
- 304 / 316L stainless steel and 6061 / 5083 aluminium fabrication
- Clean-environment TIG welding with full penetration and no micro-porosity
- Helium mass-spectrometer leak testing to 1 × 10⁻⁹ mbar·l/s
- In-house electropolishing and passivation — not subcontracted
- Chamber bake-out to 150–400 °C for UHV outgassing control
- Precision-machined ISO-KF, ISO-K and CF (ConFlat) flanges
- Zeiss CMM verification to ±0.02 mm across large work envelopes
- 12 m gantry CNC machining — 12 m × 4 m × 2 m envelope
- SEMI-referenced documentation and inspection protocols
よくあるご質問
カスタム真空チャンバーの費用はどのくらいですか?
形状よりも、真空度、サイズ、材料でほぼ決まります。電解研磨、全金属シール、検査一式を伴うUHVチャンバーは、同じ容積のエラストマーシール高真空チャンバーの数倍のコストになります。当社は容積ではなく、定義された仕様に対してお見積りします。
製作できる最大の真空チャンバーはどのくらいですか?
当社のガントリ加工範囲は 12 m × 4 m × 2 m で、これが一体型チャンバーの実質的な上限になります。それより大きな容器は分割して製作できますが、その場合の継手も真空設計の一部となります。
カスタムチャンバーの納期はどのくらいですか?
中小型のチャンバーであれば通常は数か月ではなく数週間です。大型のUHV溶接構造物は、溶接、応力除去、機械加工、研磨、漏れ検査、ベーキングという工程順序上、より長くなります。この工程は結果を損なわずに短縮することはできません。
図面ではなく性能仕様から対応できますか?
はい。必要な真空度、内容積、ポート要件、使用温度をご提示いただければ、材料、シール系統、表面処理をご提案し、それに基づいてお見積りします。この3つを早い段階で合意することが、コストを読みやすく保つポイントです。
1台だけの製作も依頼できますか?
はい。1台限りのカスタムチャンバーも、長期供給契約による量産も承っています。代表例として、日本の半導体製造装置メーカー向けに現在は年間50台以上を供給しています。
関連する加工能力
仕様どおりの製作をご検討ですか?
図面または仕様書をお送りいただければ、DDP価格・納期・検査計画をご提示します。